
看護師は迷うことの多い職業です。患者さまにとってはベテランも新人もなく,様々な場面で判断をしなくてはなりません。就職して間もないうちに難しい判断を迫られても困ってしまいますよね。でも私自身も今も迷うことばかりです。
「これでいいのかな,正しいのかな」誰かに後押しして欲しいことが多々あります。そういう時に周りの人や先輩達にアドバイスをもらい,確認していく。ドクターだって相談相手の一人です。この繰り返しだと思います。
当施設は特に,学校の知識や勉強では分からないことが多くあるかもしれません。だからこそ周りの先輩達は自分の経験や知識を,優しく,惜しみなく後輩達に伝えるすべを持っています。当センター看護部の伝統なのだろうと思います。先輩や上司は知識や技術に秀でているから上司なのではありません。経験が豊富だから先輩なのでもありません。若い仲間や,新しい価値観の背中を支え,押してあげることが出来るのが当センターの先輩ナースや主任や師長たちです。
看護師として伸びていかれる方の特徴は,じっくりと人の話を聴くことの出来る人だと思います。勉強が出来るかどうかは関係ありません。「判断」もいずれ経験をつんでできるようになります。しかし話を聴く力は新人のうちからも求められていきます。患者さまは意思伝達に障がいのある方もおられますので,担当看護師の声が,治療方針や看護方針を決める大事な要素であり情報になるケースがあります。日ごろ付き合う看護師が患者さまの代弁者となるわけです。重い責任を負った仕事だと思います。「話すことが困難な人の話に耳を傾けじっくりと聴き取る。」これこそがすべての看護の基本ではないでしょうか。
近い将来,これを読んでくださった皆さんと,患者さまの退院の笑顔を一緒に喜び合える日が来ることを願ってやみません。